トレーニング内容によって変わる!?最適なタンパク質摂取量


前回のブログで年齢別の最適なタンパク質の摂取量のポイントは

・20代の若者は、体重1㎏当たり平均0.24g(0.18~0.30g)

・高齢者は、体重1㎏当たり平均0.40g(0.21~0.59g)

筋タンパク質の合成抵抗性を踏まえれば、30~60代では20代の若者の摂取量に5~10g程度プラスして計算すればいい!と勉強しました

しかしこれは、あくまでもトレーニー以外の方に向けたものです!

今回はトレーニーに向けた最適なタンパク質摂取量を紹介します!

今回は伝えたことがたくさんありますが、頑張っていきましょう!

~最適なタンパク質の摂取量はトレーニング内容で変わる!~

皆さんが筋トレを行うときは、単関節トレーニング(レッグエクステンションとか)に限らず、スクワットやベンチプレスといった「多関節トレーニング」と組み合わせて行うことが多いと思います

では、単関節トレーニングと多関節トレーニングでは、1食当たりの最適なタンパク質の摂取量は変わるのでしょうか?

この問いに答えたのが、スターリング大学のマコトンらの研究報告です

20代のトレーニング経験者(平均体重70㎏)を対象にして、スクワットやベンチプレスなどの多関節トレーニングを10回3セット、疲労困憊になるまで行わせました

トレーニング終了後、2グループに分け、一方はホエイプロテインを20g、もう一方は40g摂取し、3時間後、5時間後の筋タンパク質の合成率を計測しました

その結果、40g摂取したグループのほうが筋タンパク質の合成率が増加していたのです

前回のブログで紹介したムーアらが示した係数を踏まえれば、体重70㎏の20代の若者が必要とするタンパク質の摂取量は、平均値で16.8g、最大で21gとなります

しかし、マコトンらの報告では、同じ体重70㎏の20代の若者でも、より激しい多関節トレーニングを行った場合は、40g摂取した方が筋タンパク質の合成が高まっています

~考察~

同内容の複数の研究報告について解析したマクマスター大学のストークスらは、2018年に報告したレビューで、多関節トレーニングを行った場合は、多関節トレーニングを行った場合よりも、タンパク質の摂取量を増やすことにより、よりタンパク質の合成を高められる可能性が示唆されていることから、「タンパク質の摂取量は、トレーニング内容を考慮して検討すべきである」と指摘しています

これら一連の報告を受けて、現代のスポーツ科学やスポーツ栄養学では、タンパク質の摂取量はトレーニング内容の違いによって変わると考えられています

それでは、こうしたエビデンスを実際のトレーニングで活かすためには、どうすればいいのでしょうか?

つまるところ、それは「いいとこどり」しかありません

~タンパク質の摂取量は単関節トレーニングと多関節トレーニングで分けよう!~

単関節トレーニングを行う場合は、ムーアらが示した係数を活用し、必要なタンパク質の摂取量(A)を割り出します

多関節トレーニングを行う場合は、トレーニング内容の違いを考慮した差分として、(A)に5~10g程度プラスする、という形です

例えば、体重70㎏の20代の若者がベンチプレスなどの多関節トレーニングを行った場合は、必要となるタンパク質の摂取量は、ムーアらが示した係数が示す摂取量は16.8gに10gプラスした合計26.8gが最適なタンパク質の摂取量の目安となります

~24時間における最適なタンパク質の摂取量~

ここまで、1食当たりの最適なタンパク質の摂取量について考えてきました

しかし、前述したように、筋タンパク質の合成感度は24時間継続します

では、24時間における最適なタンパク質の摂取量はどのくらいが適当なのでしょうか?

参考になるのが、2017年に報告された筋トレとプロテインに関するメタアナリシスです

マクマスター大学のモートンらは、筋トレとタンパク質摂取量の長期的な効果について、49の研究報告をもとにした最大規模のメタアナリシスを行っています

その結果、筋トレの効果を高める24時間における最適なタンパク質の摂取量の係数が導き出されています

それは「24時間で体重1㎏当たりの平均値1.62g(最小値1.03~最大値2.20g)」というものです

例えば、体重70㎏の若者であれば、24時間で平均値113.4g(最大値154.0g)が最適なタンパク質の摂取量になります

体重(㎏)タンパク質の摂取量(g)
5081.0(111.0)
5589.1(121.0)
6097.2(132.0)
65105.3(143.0)
70113.4(154.0)
75121.5(165.0)
80129.6(176.0)

~まとめ、っていうかシミュレーション!~

今回のまとめは、ここまでの話を分かりやすく「体重70㎏の20代の若者」を例に筋トレ後の24時間におけるタンパク質の摂取パターンをシミュレーションしてみましょう!

まず、モートンらが示した係数で計算すると、24時間における最適なタンパク質の摂取量は113.4gとなりますここまで、1食当たりの最適なタンパク質の摂取量について考えてきました

しかし、前述したように、筋タンパク質の合成感度は24時間継続します

では、24時間における最適なタンパク質の摂取量はどのくらいが適当なのでしょうか?

参考になるのが、2017年に報告された筋トレとプロテインに関するメタアナリシスです

マクマスター大学のモートンらは、筋トレとタンパク質摂取量の長期的な効果について、49の研究報告をもとにした最大規模のメタアナリシスを行っています

その結果、筋トレの効果を高める24時間における最適なタンパク質の摂取量の係数が導き出されています

それは「24時間で体重1㎏当たりの平均値1.62g(最小値1.03~最大値2.20g)」というものです

例えば、体重70㎏の若者であれば、24時間で平均値113.4g(最大値154.0g)が最適なタンパク質の摂取量になります

一方で、ムーアらが示した係数で計算すると、1食当たりの最適なタンパク質の摂取量は16.8gとなります

さらに、一般的な筋トレは多関節トレーニングが中心となるため、ムーアらの単関節トレーニング由来の数値に10gをプラスして、1食当たりの摂取量は約27gとなります

3回の食事とプロテインで毎回約27gを摂取ぢ、さらに就寝前に適切とされる35gのプロテインを摂取すると、筋トレ後の24時間における最適なタンパク質の摂取量は116gとなります

今回のブログは気合いが入ってしまい、長くなってしまいました、ごめんなさい!

ただ最後まで、飛ばし飛ばしでも読んでくれてありがとうございます!

年齢、体重、トレーニング内容を基準に、自分に合ったタンパク質の摂取量を見極めましょう!

インスタグラムもやってます:kinnikundblog

読んでくれたみなさん!ありがとうございました!!


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