みなさんはタンパク質が含まれる食材としてどんなものを思い浮かべますか?
筋トレの効果を高めていくうえで、タンパク質は必要不可欠です
しかし、質の悪いタンパク質を摂っても筋トレの効果は高まりません
必要なのは、筋タンパク質の合成を促進させる「良質なタンパク質」です!
今回は「良質なタンパク質」とはどういった食材に含まれているのか、紹介します!
トレーニーも健康に過ごしたい方も必見です!
それではよろしくお願いします!
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、体内では合成できず食事から摂取しなければならない9種類の「必須アミノ酸」と、体内で合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分けられます
筋タンパク質は必須アミノ酸でしか合成されず、かつ、9種類のどれかが欠けてもいけません
筋トレ後に摂取すべき良質なタンパク質とは、「9種類すべての必須アミノ酸をバランス良く含む」ことが絶対条件になるのです
とは言え、必須アミノ酸をバランス良く含むタンパク質はどのように見分ければいいのでしょうか?
そこで登場するのが、食品やプロテインに含まれる必須アミノ酸の含有率を数値化した「アミノ酸スコア」と呼ばれる指標です
9種類すべての必須アミノ酸量がバランスよく含まれ、それぞれ基準値を満たしている場合は、アミノ酸スコアは満点の「100」となり、その食品やプロテインは「良質なタンパク質」とみなされます
プロテイン | アミノ酸スコア |
ホエイ | 100 |
カゼイン | 100 |
ソイ | 100 |
100に満たない場合は1つ、もしくは複数の必須アミノ酸が基準以下であることを示します
代表的な食品とプロテインのアミノ酸スコアを見てみると、肉や牛乳といった動植物性食品や大豆、プロテインのスコアは100となっていますが、ほうれん草などの植物性食品や精白米は100に届いていません
食品例 | アミノ酸スコア |
豚肉(ロース、脂身なし) | 100 |
鶏卵 | 100 |
牛乳 | 100 |
大豆 | 100 |
ほうれん草 | 94 |
精白米 | 64 |
小麦粉 | 39 |
肉や乳製品といった動植物性食品やプロテインが「良質なタンパク質」であると言われるのは、このアミノ酸スコアによるものです
アミノ酸スコアはしばしば「桶」に例えられます
9枚の板で組まれた桶に水を溜めたとき、背の低い板があるとそこから水が漏れ、一番背の低い板の高さまでしか水は溜まりません
同様に、基準値に満たない必須アミノ酸があると、その食品のアミノ酸スコアは一番少ない必須アミノ酸に合わせて低くなってしまいます
つまり、一部の必須アミノ酸が豊富に含まれていても、全体としてバランスがとれていなければ、体内では100%の力を発揮してくれないのです
必須アミノ酸の中でも、近年特に注目されているのが「分岐鎖アミノ酸(BCAA/Branched Chain Amino Acids)」です
アスリートを中心に、運動に効果的な必須アミノ酸として認知されるようになり、様々なお店で「BCAA配合」と書かれたプロテインやサプリメントを目にすることも増えています
また、食品では、肉、卵、大豆、牛乳などに含まれます
BCAAとは3種類の必須アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です
アミノ酸はアミノ基、カルボキシル基、水素、側鎖で構成されていますが、BCAAは側鎖が枝分かれした特徴的な構造をもつことからこの名がつけれられました
他の必須アミノ酸との最たる違いは、BCAAは肝臓ではなく、主に筋肉でしか代謝されないことです
この特徴から「必須アミノ酸9種類のうち、BCAAだけが筋肉でしか使われないのなら、これをたくさん摂れば、筋タンパク質の合成を効率的に促進できるのではないか?」と考えられるようになったのです
しかし、スポーツ科学やスポーツ栄養学における最新のエビデンスは、この考えを否定しています
2017年、イギリス・エクセター大学のジャックマンらは、筋トレ後の筋タンパク質の合成率について、BCAAを摂取した場合の効果について検証しています
実験ではトレーニング経験のある20代男性を集め、筋トレ後にBCAAを溶いた飲料を飲むグループと、前述の飲料にそっくり似せたプラセボ飲料(中身は無害の粉と水)を飲むグループに分けて行いました
筋トレを行った4時間後、筋タンパク質の合成率を測定すると、プラセボ飲料のグループに比べて、BCAAのグループは筋タンパク質の合成率が22%も増加していました
この結果だけをみると、「やはりBCAAはすごい」と思ってしまいますが、注目すべきはジャックマンらが行った次の検証です
先の検証を終えたあと、ジャックマンらは「BCAAの摂取だけでも筋タンパク質の合成は高まるが、合成作用をより高めるためには、すべての必須アミノ酸を十分に含んだタンパク質の摂取が推奨される」と述べています
この知見は2018年の国際スポーツ栄養学会(ISSN)の報告でも支持され、現在は様々な分野で広くコンセンサスを得ています
BCAAよりも9つすべての必須アミノ酸を摂ろう!というのが今回のまとめです!
筋タンパク質の合成を高めるためには、特定の必須アミノ酸だけでなく、9つすべての必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質を摂ることが大切なのです
具体的には、BCAAのサプリメントよりもホエイなどのプロテインを優先して摂取すること、BCAAのサプリメントを飲むのであれば、一緒にアミノ酸スコアが100である牛などの赤身肉、鶏の白身肉、牛乳なども摂取することが筋トレの効果をより高めるでしょう!
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