筋力を強くしたいなら「6秒以下」のスピードで動かせ!


こんにちは!Nです!

筋肥大と筋力増強では様々な点で違いがあり、近年は双方の目的に合致するトレーニング方法が提唱されています

例えば、筋肥大では「8秒以内の運動スピードが効果的だ」ということを前回のブログで紹介しました(「8秒以上の筋トレはNG?」と「運動スピードは8秒以内!?」)

https://kinnikundblog.com/wp-admin/post.php?post=734&action=edit

https://kinnikundblog.com/wp-admin/post.php?post=735&action=edit

それでは、筋力増強の効果を最大化させる運動のスピードはどのくらいなのでしょうか?

筋力増強したい方!一緒に勉強していきましょう!

~筋力増強の効果は
「6秒以下」で最大化される~

2017年、筋力増強の効果を最大化する運動スピードについて世界で初めてメタアナリシスを行ったシドニー大学のデイヴィースらは、こう結論づけています

・筋力増強の効果は、6秒以下の運動スピードで最大化される

このメタアナリシスは15の研究報告からなり、被験者の総数は509名、年齢は19~73歳、トレーニング経験者だけでなく未経験者も含んでいます

デイヴィースらは研究報告から得られたデータを、「速い(約2~4秒)」と「中等度~遅い(4.7~6秒)」という2つの運動スピードに分けて解析しました

その結果、「速い」では21.8%、「中等度~遅い」では20.8%の筋力増強効果が示されました

しかし、効果量の差は非常に小さく、運動スピードによって筋力増強効果に有意な差は示されなかったのです

運動スピードはトレーニング強度(重量)の影響を受けます

当然ながら低強度では運動スピードは速くなり、高強度では遅くなります

そこでデイヴィースらはトレーニング強度の影響を検証するため、サブグループ解析を行いました

その結果、トレーニング強度が中等度の場合は、運動スピードが速いほうが筋力増強の効果がやや高いことがわかりました。

さらに、このメタアナリシスには若年者や高齢者、トレーニング経験者や未経験者が含まれていいたため、年齢やトレーニング経験の影響についても、サブグループ解析が行われました

その結果、年齢やトレーニング経験の有無はこの解析結果に影響を与えないことが示されました

デイヴィースらが示した結果、6秒以内の運動スピードであれば、速くても遅くても筋力増強の効果に差はないとするものでした

また、中等度の強度では、運動スピードの速いほうが筋力増強の効果がやや高いことも示されました

これらを総合した結果、年齢やトレーニング経験の有無にかかわらず、6秒以下の運動スピードが筋力増強の効果を最大化させることが示唆されたのです

~筋肥大で言われる
「8秒以下の運動スピード」とは違うの?~

この結論は、筋肥大で言われる「8秒以下の運動スピード」とは異なります

実はその理由も、前回のブログ(筋力増強するには高強度トレーニング!)で紹介した「神経活動の適応」にあります

https://kinnikundblog.com/wp-admin/post.php?post=831&action=edit

筋力を増強するためには、強い力を発揮し収縮速度の速いタイプⅡ繊維を鍛えなければなりません

小さな運動単位大きな運動単位
筋線維のタイプタイプⅠタイプⅡaタイプⅡx
力の強さ弱い強い最も強い
収縮速度遅い速い最も速い
疲労度疲れにくい疲れやすいとても疲れやすい
収縮タイプ持久型パワー型瞬発性

そのためには、筋肥大のときよりも速い運動スピードで高強度トレーニングを行うことが有効になります

このようなトレーニングを繰り返すことで、タイプⅡ繊維を多く動員させることに神経活動が適応し、筋力が増強されていくわけです

デイヴィースらは、筋力増強効果に年齢やトレーニング経験の有無が影響しないことの理由も「神経活動の適応」にあるとしています

筋力増強効果は、「筋肥大+神経活動の適応」で決まります

筋肉は加齢に伴い筋肥大が生じにくくなります

これは「筋タンパク質の合成抵抗性」に起因することが示唆されており、近年、そのメカニズムが明らかになりつつあります

つまり、筋肥大については加齢が影響するわけです

一方、神経活動の適応は加齢による影響が小さいとされており、筋力増強効果にも年齢の影響は少ないと推察されています

また、トレーニング経験者のほうが神経活動の適応に優れているということはありません

神経活動の適応は筋トレを行う人に等しく必要となる要素です

そのため、デイヴィースらも、筋力増強効果にトレーニング経験の有無が影響することは少ないだろうと推察しています

デイヴィースらのメタアナリシスは、アメリカスポーツ医学会の公式声明を支持するものであり、現代のスポーツ科学の世界でもおおむねコンセンサスが得られています

~まとめ~

・筋力増強の効果は、6秒以下の運動スピードで最大化される

これが今回のまとめです!

筋肥大は8秒以下、筋力増強は6秒以下になります!

みなさんも6秒と8秒というキーナンバーを意識して筋トレしてみてください!

それでは読んでくれたみなさん、ありがとうございました!!

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