こんにちは!Nです!
アメリカスポーツ医学会は、2009年に発表した公式声明で筋力増強のためのトレーニングは「週2~3回の頻度が推奨される」と前回のブログで紹介しました
https://kinnikundblog.com/wp-admin/post.php?post=792&action=edit
しかし、この公式声明には科学的根拠がなく、推測から導き出された概念的なものにすぎないと認識されてきました
そして近年、スポーツ科学では「週単位のトレーニング頻度」が大きなトピックとなっており、2018年には2つのメタアナリシスが報告されています
今回は筋力増強のための「週単位のトレーニング頻度」を紹介します!
強くなりたい方、筋力増強したい方は必見です!
よろしくお願いします!!
ヴィクトリア大学のグリックらは22の研究報告をもとに、週の頻度と筋力増強効果の関連について解析しました
その結果、週の頻度を多くすると筋力増強は有意に高まることが示唆されたのです
さらに、トレーニング内容(単関節または多関節)や年齢、性別による効果を解析したところ、いくつかの重要な示唆が得られたのです
アームカールのような単関節トレーニング(1つの関節だけに負荷をかけるトレーニング)と、ベンチプレスなどの多関節トレーニングについて、週の頻度と筋力増強効果の関連を見ると、単関節トレーニングは頻度によっても大きな差はなく、多関節トレーニングは頻度の増加に応じて筋力増強効果が高まることが示されました
これは、多関節トレーニングのほうが、神経活動の適応に総負荷量がより強く関与していることを意味します
単関節トレーニングに比べ、多関節トレーニングではより強い筋力が必要になり、そのぶん多くの筋肉が使われます
複数の筋肉で同時に強い力を発揮するためには、トレーニングを通じて運動単位の動員や同期、神経活動の発火頻度などを身体に学習させ、神経活動の適応を高めていかなければなりません
そのためには多くの回数や頻度が必要になり、おのずと総負荷量も高くなっていくことになります
また、年齢や性別に関する解析では、若年者は週の頻度が多くなるとそれに応じて筋力増強効果が高まることが示唆され、さらに男性よりも女性のほうが週の頻度に応じて筋力増強効果が高まることが示されています
グリックらのメタアナリシスにより、筋力増強効果も筋肥大と同様、週の頻度に応じて高まることが明らかになったのです
ならば、週単位の総負荷量が同じだった場合も、筋力増強効果頻度に応じて高まるのでしょうか?
イギリス・西スコットランド大学のラルストンらは、週単位の総負荷量が同じ場合における、週の頻度による筋力増強効果を検証した12の研究報告をもとにメタアナリシスを行っています
この解析は、週の頻度を低強度(週1回)、中頻度(週2回)、高頻度(週3回以上)の3つに分けて行われました
その結果、週単位の総負荷量が同じ場合、週の頻度を変えても筋力増強効果には有意な差は認められなかったのです
この結果からラルストンらは、筋肥大と同様に、筋力増強においても週単位の総負荷量が効果の指標になると述べています
この結果についても、「筋力増強の効果は神経活動の適応にもとづく」というメカニズムで説明することができます
筋力増強の効果は、高強度トレーニングを正しいフォームで繰り返し行い、神経活動を適応させることで高まります
神経活動の適応とは、強い力が発揮できるよう体にその動きを学習させるということです
つまり、トレーニングの回数を多くするほど学習効果が高まり、筋力増強の効果が得られるようになるのです
そのため、週単位のトレーニングの総負荷量(強度は高強度一択なので、回数とセット数を掛け合わせたもの)が、筋力増強の効果を考える際の指標となります
これは筋肥大だけでなく、筋力増強においても週単位の総負荷量から週の頻度をデザインできることを示唆しています
まとめます!
ここまで、最新のエビデンスをもとに、筋肥大と筋力増強の効果を最大化する「筋トレ方程式」について見てきましたが、現代のスポーツ科学では、筋肥大、筋力増強とともに週の頻度が増えれば効果も高まること、週単位の総負荷量から週の頻度を管理・調整できることが新たな“常識”として認知されています
筋力増強においても、筋肥大に同じく、トレーニングの基準となる「週単位の総負荷量」を決めておき、体調や疲労に合わせて回数やセット数、週の頻度を上手に管理・調整していくことが大切なのです!
それでは読んでくれたみなさん、ありがとうございました!!